ミイラ映画のタイトル

賢押杯の部屋別ローリングでは、「原題は First Blood」という問題を取ったのですが、実は同じような問題を、2007年に初参加したときにも取っています。映画の邦題というと、最近は、原題をそのままカタカナにしたようなものが多いのですが、ときどき、原題とは離れた邦題が付けられる作品があります。

ところで、「ミイラの呪い」という、私のプレイヤーネームは、昔のB級ホラー映画っぽい、というコンセプトで付けたものだったりします。最近のミイラ映画というと、「ハムナプトラ」シリーズが有名どころなわけですが、この原題が "The Mummy" という、いたってシンプルなもので、私はあまり見たことはないのですが、クイズ問題に使えそうなタイトルでもあります。

さて、この "The Mummy" というタイトル、1960年代ぐらいなら、絶対に「怪奇ミイラの呪い」みたいな邦題になるよなぁ、と思っていたのですが、ちょっと調べてみると、このシリーズ、実はリメイク作なのですね。

リンク:ハムナプトラ(Wikipedia)

英語版Wikipediaを参考にしてみると1932年にユニバーサルが "The Mummy" という映画を製作しています。どうやらこれがミイラもの映画の草分けらしい。これが、おそらく戦後のことだと思いますが、日本公開されたときのタイトルが「ミイラ再生」。

その後、続編が製作されます。1940年に "The Mummy's Hand"「ミイラの復活」。1942年に "The Mummy's Tomb"「ミイラの墓場」。1944年に "The Mummy's Ghost"「執念のミイラ」。その後、"The Mummy's Curse" という作品が作られていますが、日本未公開らしい。これの日本版があれば、「ミイラの呪い」という邦題になっていた可能性は高いですね。

なお、最初の "The Mummy" のミイラは、「ハムナプトラ」と同じイムホテップですが、「続編」のミイラはカリスという人(?)だそうです。

しかし、戦時中に日本軍が米軍の基地を落としたときに、「風と共に去りぬ」だったかのカラーフィルムを見てビビった、とかいう話が伝わってますが、あちらの方々、戦争中にこんな映画まで作ってたんですねぇ。そら勝てんわ。

ちなみに、日本版Wikipediaには、この後の "Abott and Costello Meet the Mummy" というのが書いてありますが、これってパロディ作品ですよねぇ。英語版Wikipediaには`spoofed' って書いてあるし。

この一連のシリーズと、最近の「ハムナプトラ」シリーズとの間に、ハマー・フィルム制作のシリーズがあるそうです。第1作は1959年の "The Mummy"「ミイラの幽霊」。こちらのシリーズでは、ミイラ男は最初からイムホテップではなくカリスとなってます。

特筆すべきは、このカリスを演じたのがクリストファー・リーだということ。ロード・オブ・ザ・リングに登場する「猿の人」(嘘)サルマンを演じた人ですね。ちなみにこの人、イギリス人ですが、冬戦争では義勇兵としてフィンランド軍に参加しているそうです。冬戦争はほんとにエピソードに事欠きませんね。

こちらのシリーズ第2作となったのが1964年の "The Curse of the Mummy's Tomb"「怪奇ミイラ」。その後1966年に "The Mummy's Shroud"「ミイラ怪人の呪い」。1971年に "Blood from the Mummy's Tomb"「王女テラの棺」。いずれもなかなかいいタイトルが付いてますね。

他にもミイラの登場するB級、C級作品はいろいろあるはずなので、絶対にないとは言い切れないのですが、この一連のシリーズに関する限りは、「ミイラの呪い」というタイトルの映画は存在しないようです。